【呉東和虎さんのコラム14】ビートルズ12thアルバム

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The Beatles(ビートルズ)アルバムの歴史 Vol.13『Abbey Road』

「The Beatles(ビートルズ)」のオリジナル・アルバム全13枚に注目して紹介させていただいておりますが、残すところあと2枚となりました。前回の11thアルバム『Yellow Submarine』に続きまして、今回は12thアルバム『Abbey Road』です。どんな構成になっているのか見ていきましょう。

12thアルバム:『Abbey Road』

12thアルバム『Abbey Road』は、1969年9月26日にイギリスにてリリースされました。アメリカでは10月1日、日本では同月21日と遅れてリリースされています。

このアルバムのジャケットで使用された横断歩道を歩く4人の姿の写真は、レコードジャケット史上でとくに有名な写真のひとつです。この写真はイギリス・ロンドンのアビー・ロードという通りの横断歩道で撮影されました。

また、その通りにあったEMIレコーディング・スタジオは、このアルバムのヒットとビートルズに敬意を評して「アビー・ロード・スタジオ」と改名しています。

このアルバムは少し特殊な部分があり、次回紹介するラストアルバム『Let It Be』に収録された曲が、このアルバム収録前に録音されていたことから、事実上のラストアルバムとも言われていました。しかし、現在ではこのアルバム収録後に『Let It Be』の追加録音や再プロデュースなどが行われていたことが正式に発表されたこともあり、結局リリース順ではあるのですが、そんな背景もあることを知って聴いてみて下さい。

それでは、12thアルバム『Abbey Road』の中身を見ていきましょう。全17曲が収録されており、9~16曲目まではメドレー構成になっています。

オープニングナンバーを飾るのは、ジョン・レノンが歌う「Come Together」です。ファンキーで、ブルースっぽく、ジョン自身も気に入っている曲のひとつであり、ポール・マッカートニーのベース演奏も冴え渡ります。2曲目は、ジョージ・ハリスンが歌う「Something」です。ジョージの最高傑作のラヴソングとも言われ、ジョンもこのアルバムで一番の曲とまで称賛しています。

3曲目はポールが歌う「Maxwell’s Silver Hammer」で、牧歌的でもあり軽快な曲調とは裏腹に歌詞は物騒な内容となっています。4曲目も続いてポールが「Oh! Darling」で聴かせます。1950年代を感じさせる曲調で、ジョンいわく「ポールの凄いやつ」と称賛しています。

5曲目はリンゴ・スターが歌う「Octopus’s Garden」で、カントリー&ウエスタンっぽい曲であり、リンゴが本名のリチャード・スターキーの名で作詞・作曲をした2作目の曲です。6曲目はジョンがオノ・ヨーコに捧げた曲のひとつである「I Want You」。

7曲目はジョージで「Here Comes the Sun」で、アコースティックギターを主体に演奏されており、この曲もまた先の「Something」と同じく、ジョージの最高傑作と言われており、レノン=マッカートニーの作品と同等の評価を得た楽曲です。8曲目はジョン作の「Because」で、ジョン、ポール、ジョージによるハーモニー・ボーカルを主体とした楽曲で、ポールとジョージは本作で1番好きな曲と公言しています。

そして、9曲目からは本作の特徴でもある「ザ・ロング・ワン」と称したメドレー形式で構成されています。そのオープニングを飾るのはポールの「You Never Give Me You Money」です。10曲目「Sun King」11曲目「Mean Mr. Mustard」12曲目「Polythene Pam」とジョンが3曲続き歌います。メドレー形式になっているため、1曲の演奏時間が短くまとめてあるのも特徴です。また、この12曲目「Polythene Pam」がジョン・レノンのビートルズ時代の最後に製作した楽曲でした。

13曲目はポールの「She Came in Through the Bathroom Window」で、前半のメドレーを締めくくる楽曲になっています。14曲目もポールで「Golden Slumbers」、メドレー後半のオープニングナンバーでもあり続いて15曲目「Carry That Weight」へと続き、リンゴとポールで歌います。

そしてメドレーのフィナーレとなる16曲目「The End」ではポールのシャウトに続き、リンゴのソロドラム、ポール、ジョージ、ジョンのギターソロリレーが始まり、最後はポールがシェイクスピアを追求して書いたという歌詞をポールが歌い締めくくります。

17曲目にポールが歌う「Her Majesty」は、発売当時の曲目には表示されておらず、16曲目「The End」の演奏が終了して14秒後に収録されており、この曲は初の隠しトラックであったと言われています。ちなみに「Her Majesty」とは女王陛下を意味しており、エリザベス女王を口説きたいといった内容を歌っています。2022年9月8日、その女王エリザベス2世が崩御されました。冥福をお祈りいたします。

今回の『Abbey Road』は、ある意味ビートルズの最後として製作されたアルバムだったのだと感じずにはいられません。

次回、ビートルズが解散してから約1ヶ月後にリリースされたラストアルバム「Let It Be」を紹介していきます。お楽しみに!


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呉東和虎(ごとう かずとら) プロフィール

1972年愛知県生まれのフリーライター。中学生のころからの35年以上、毎日「音楽」を聴いてきました。音楽は生活の一部であり、聴いてきた音楽・読んできた本・見てきた映画で、その人の半分は形成されていくものだと感じています。音楽は「ロック」好き、自らギター・三線を弾きます。

ライターとして、音楽・バイク・車・ファッション・アニメなどの情報をお伝えしています。私の記事を読んでいただいた人に、何らかのプラスになる情報を提供できるように執筆していきます。

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