遺品整理は故人の生前の足跡を辿るような作業でもあります。私も多くのご家庭でそのお手伝いをさせていただいておりますが、特に多いのが親が70代~80代、子供が40代~50代という年齢層の方々の家庭です。
遺品整理ですので、さまざまな遺品に触れることになるわけですが、その作業の中で家族の意外な一面が垣間見えることも少なくありません。(本記事は、代表の印象に残ったエピソードを取材し、プライバシーが守られる範囲で記事化したものです。)
ある時の遺品整理では、遺品の中からクラシックやオペラのCD、さらには楽典の本などが大量に出てきました。
「親父がこんなに音楽好きだったとは知らなかった。」
と遺品整理の依頼主である子供さんがおっしゃっていました。
「そんな話も、しなかったしな」
生前、その父親は音楽に関する話題を家族にはほとんど語らなかったようです。身内でも知らなかった故人の一面が、思いがけない遺品によって知られることとなり、そして故人へ思いを馳せることとなる。遺品整理という特殊な作業ならではの時間が流れます。
しかし、遺品整理の現場では、ちょっとした取り扱い注意なアイテムが出てくることも…
それはやはり、アダルト系の遺品です。
特に、亡くなったお父様の遺品を奥様や娘さんと共に整理する際には、この点に特に気を配っています。万が一出てきた際はすぐになるべく目に触れないように脇に寄せて、故人の尊厳を第一に守らねば…という気持ちでいっぱいとなります。
しかし、やはり見つかってしまうことあります。時には隠すこともできないくらい大量に見つかってしまうことも…
奥様と娘さんはたいていの場合は「まったくもう!」と呆れることが多いですが、大量に見つかってしまった場合はイライラされることもあります…こんなところにお金をかけて…といった感情のことが多いようです。
査定に関しても、新品同様というわけにはどうしてもいかないので、新品の1/10などの値段がついてしまったときには、ご主人の代わりと思って私が頭を下げています。
ここで一言みなさんにアドバイスがあるとすれば…家族に見せられないものが大量にある場合は、ぜひ生前整理をご検討ください。
※文中の写真はイメージです