リンゴスター　ビートルズ解散後の軌跡｜成田酒々井のレコード買取店レコちゃんカンパニー

リンゴ・スターの「The Beatles」解散後の軌跡

前回はリンゴ・スターの「The Beatles」解散までの軌跡ということで紹介してきましたが、今回は、リンゴ・スターの「The Beatles」解散後の軌跡を見ていきます。ビートルズという器が無くなったリンゴ・スターは、どのような活動をしてきたのでしょうか？

ポール・マッカートニーがビートルズからの脱退を発表した1970年4月10日。その少し前の3月27日に、ジャズのスタンダード・ナンバーをカバーした、リンゴ・スター初のソロ・アルバム『Sentimental Journey』がリリースされました。同年9月には、カントリーミュージックでまとめた2ndアルバム『Beaucoups Of Blues』をリリースします。

リンゴ・スターのソロ活動は、ビートルズ解散発表前にすでにスタートしていました。1971年には本国イギリスでは、初のソロ・シングルとなった『It Dont’s Come Easy』がリリースされ、アメリカの『ビルボード』誌で最高位４位、イギリスでもチャートで４位を獲得するなど大ヒットとなりました。B面にはビートルズの他3人のメンバーのことを歌った『Early 1970』を収録。

その後も1972年にジョージ・ハリスンのプロデュースでリリースした『Back Off Boogaloo』も全英・全米で大ヒット。1973年にリリースした3rdアルバム『Ringo』は、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンがそれぞれ曲の提供・演奏での参加をしており、話題になりました。アルバム収録曲からシングルカットされた『Photograph』『You’re Sixteen』は、いづれも全米チャート1位を獲得しました。

1974年にリリースされた4thアルバム『Goodnight Vienna』では、ジョン・レノンをはじめ、エルトン・ジョンやジェシ・エド・デイヴィスにドクター・ジョンなど、多くのアーティストがレコーディングに参加しており、大ヒットが続きます。

ビートルズ解散後の1970年代前半のリンゴ・スターのソロ活動は、まさに絶好調なスタートでした。音楽活動意外にもビートルズ時代から始めていた俳優活動も精力的に活動。

しかし、1970年代後半に入ると好調であったソロ活動に陰りが見え始めました。ヒット曲を出せず、妻との離婚、病気を患い一時危篤状態、ロサンゼルスにあった自宅が全焼するなど災難続き。そして、1980年12月、ジョン・レノンが凶弾に倒れます。

そんなリンゴでしたが、映画『Caveman』で共演した女優・バーバラ・バックと1981年に再婚しました。しかし、仕事のほうでは不調が続き表立った活動はなくなってしまいます。

そんな中、1984年にイギリスのテレビアニメ『きかんしゃトーマス』のナレーションを務めることになるのですが、これが大好評。声優として活動を広げます。しかし、1980年代後半にはアルコール依存症にも悩まされることになります。

1989年には、アルコール依存症患者厚生施設での治療を経てカムバックを果たします。その後は不定期ではあるものの、大物ミュージシャンを多数集めたリンゴ・スター＆ヒズ・オール・スター・バンドが結成され、ツアーなどが催されています。

1992年には、9年ぶりの10thアルバム『Time Takes Time』をリリース。1998年に11thアルバム『Vertical Man』では、ポール・マッカトニーやジョージ・ハリスンをはじめ、オジー・オズボーンにスティーヴン・タイラーなど多数のアーティストをゲストに迎え、レコーディングされました。

その後も、アルバムのリリースやオールスターバンドでの活動を精力的にこなし、2015年にリンゴ・スター個人としてロックの殿堂入りも果たしました。2018年には、イギリスのロンドンにあるバッキンガム宮殿にてウィリアム王子からナイトの爵位が授与されます。

リンゴ・スターが全世界に呼びかけている「ピース＆ラブ・サリュート」が、2022年7月７日、日本の東京・大阪でも開催されました。今年で82才を迎えたリンゴ・スターは、まだまだ現役バリバリです。

多くの人々から愛されているリンゴ・スターに「ピース＆ラブ」を贈りたい。